エナジーフロー テーマは循環「おだやかな革命」
- Harumi Nakahara
- 2017年12月16日
- 読了時間: 4分
先日 フードアクティビスト(食の社会活動家)のサカイ優佳子さんにお誘いただき、渡辺智史監督の「おだやかな革命」を見てきました。

自然エネルギーによる地方再生の映画と聞いて、なんとなく、村おこし的新しい特産物の開発的な今までにありがちなイメージで見に出かけましたが、この映画の中にあるのは、新しい時代の、人、物、お金、そしてエネルギー、更には愛の循環の物語でした。
地方の問題は、過疎化、高齢化、インフラの断絶と、日本のみならず、世界で共通の問題点があるけれども、通常は東京のコンサル会社があれやこれやと、「都市の目線」でアドバイスし、地方の特産を都市で売るというような構図が多かったように思います。
ある地方都市の友人に聞いた話では、江戸時代から職人の街として伝統工芸の盛んな村に、村おこしとして東京のコンサル会社がイタリアのアーティストを呼んで多額な税金を投じてアートフェスを開催したものの 駆り出された地元の職人さんはボランティアで働き、多額な費用の内訳は、東京のコンサル会社の交通費と遊興費にほとんど使われ、結局地元には一切お金が落ちなかったということでした。
地方に住む人達は、その土地の良さが解らないからと、都市の専門家に”コンサル”してもらって、新しい魅力の掘り出しをし、その価値を商品化する、というのが、今までの構図だったように思うけれども、
3.11の後に、弟とともに復興ボランティアに係わった時、東京にいながら中途半端なアドバイスをしたところで、一過性で終わってしまい、本当に当地の方たちが、未来に繋がっていく生き方の革命をしていくのは難しいと気付かされました。
この映画は、「おだやかな革命」とタイトルにあるように、地方の土地の持つ豊かな自然や人の繋がりに魅せられた人たちが、その土地に移り住み、その自然の中で生まれる、風力発電、水力発電、間伐材を使った熱源など、エコエネルギーを作り出し、人とお金が集まる仕組みを作ることで、一時的ではなく、未来に続く革命をしているリアルな物語。
「未来の社会のために、子どもたちのために、自分は何が出来るのか?」という問いが、ふつふつと湧いてくる。
この映画の中には、自分が他者に対して何かサービスなり商品なりを提供して、お金を得るという、二元的なしくみではなく、みんなで作ったエネルギーを、皆で使う、そこに人が集まってきて、またみんなの所に還元されるという、循環型なしくみが作られている事が一番印象に残りました。
もちろん、都市型の資本経済だって、誰かが物を買えば、そこには、生産者や流通者と言った人達にもお金がまわる循環はあるのだけれども、そこには人と人の繋がりがない。
この映画の中の取り組みの例を一つ上げてみます。
今まで放置されてきた林業。間伐材を使って、やはり放置されていた温泉施設の熱源とする。それにあわせて、食堂や民泊を作る、旅行者が集まる。近県からも間伐材を持ちこんでもらい、一部は現金、一部は地域貨幣にて支払うことで、近県の人がそこでお金を使ったり、施設を利用するようになる。旅行者だけでなく若いアーティストや起業家が集まってくる。
そこには、過去には難しかった、エコエネルギーを生み出すテクノロジーが介在しているからこそ、今まで無価値とおもわれていた、水力や、風力、間伐材などが、革命の糸口となって資源としてだけでなく、地域の復興のための資産となっていくしくみがありました。
都市で何が出来るのか?
私は未来のために何が出来るのか?
映画を見た後に、サカイさんと、ワインを2杯。二人であれこれと語り合う。

サカイさんのお声掛けで、食の関係者を中心に個々社会活動をされている皆さんと一緒に映画鑑賞出来たのも、ご縁が繋がり嬉しかった。
未来のために解決すべき今ある問題とはなにか?
私にとってのテーマは、やはり、「虐待児童のいない世界を作るということ」
そのためには、虐待の連鎖を生み出す教育の欠如をなくすために、子どもたちへの学習支援を行うということ。
それを、私がビジネスで得たお金を寄付、私が動くだけの活動ではなく、沢山の人のエネルギーやお金を巻き込むための仕組みを作る。
それが、ファンド型ワークショップの開催として、一昨年から実験的にスタートした「KIFF(kids in the future fund raise)未来の子ども基金」であり、
※魅力学®ワークショップを私がファシリテーションし、参加費を学習支援団体に寄付。来年から新たにスタートします〜!
7月に行ったMakeover Magic Grand 「寝たきり長寿日本を世界一高齢者の美しい国へ」を掲げた、高齢者のファッションショーのファンドレイズで、開催のために集まった寄付金の残り全てを子どもたちの学習支援へと寄付するという仕組み。
自分が動くだけでは、小さな事しか出来ないけれども、未来のために周りを巻き込み、皆が豊かになれる社会を作るための、循環の仕組みを作ること。
そこには、人と人が集まり、繋がり、愛のエネルギーを交換、循環することで、大きなパワーを生む
私もおだやかな革命をして行きたいと改めて思う。

2018年2月から、公開予定 ポレポレ中野にて
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